PMSについて
PMSの原因
PMSという言葉、女性の間では有名な言葉になってきているかと思いますが、PMSの原因ははっきりとは解明されていません。生理前の黄体期に現れるため、エストロゲンの低下が原因と言われたり、プロゲステロンの影響と言われたりもしています。
しかし生理前後というのは体の変化を伴うもので、女性は敏感にそれを感じ取りそれが精神面にも影響を与えているのかもしれません。生理中というのは出血や不快感、ナプキンの交換への配慮なども伴いますから、やはりイライラしても不思議ではないと考えられます。
PMSの治療方法
低用量ピルによるホルモンの安定化、生理の回数や量の軽減
漢方薬などの対症療法
行動認知療法による考え方の補正や調整の仕方、リラックス方法の習得など
PMSは環境要因に影響されやすいことも指摘できます。子供が言うことをきかない、夫にイライラするというようなことも話に出てきます。しかし環境とは変化するものであり、長いこと続かないことが多いです。1年を長いと感じるかは別ですが、PMSに20年も悩まされるということはありません。環境も変化しますが、自分自身の感性も意外と変化していくものだからです。
上記の治療方法を試しても、何をしても改善の予兆がない。症状はどんどんひどくなる、という場合にはPMDD(premenstrual dysphoric disorder)=月経前不快気分障害を考慮する場合があります。
よく主治医と話し合って、診断や治療法について決めていくのが良いでしょう。
PMDDとは?
頻度はPMSの3~8%ほどで、PMDDになると、産婦人科に加えて心療内科や精神科の受診も必要になります。治療薬は低用量ピルに加えて、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という抗うつ薬も必要になることもあります。PMDDの診断方法
- ほとんどの月経において月経開始前に以下の症状が1つ以上存在する
☐著しい感情の不安定性
☐著しい苛立たしさ、怒り、人間関係トラブル増加
☐激しい抑うつ気分、絶望感、自己批判の気持ちが強くなる
☐激しい不安、緊張、および高ぶり、いらだちの感覚
- さらに以下の症状のうち1つ以上当てはまり、①と合わせて5つ以上当てはまる
☐通常の活動への興味がなくなる
☐集中困難
☐倦怠感、疲労、気力がない
☐食欲の著しい変化、過食、特定の食べ物への渇望
☐過眠または不眠
☐圧倒される、または自分を制御できない感覚
☐体重増加、乳房の張り、関節痛、筋肉痛
(premenstrual syndrome)
月経前3~10日間の黄体後期に発症する多種多様な精神的あるいは身体的症状で、月経初来とともに減弱、消失するものを言います。
つまり生理前後の不調はすべてこの言葉でおさまるということです。