vol.16 PMSとアンガーマネジメントについて

vol.16 PMSとアンガーマネジメントについて

イライラがすごい、彼氏や子供につい癇癪を起こしてしまう、これってPMSなのではないかと考える人は少なくはないかもしれません。

PMSの定義について今一度記載すると「月経前、3~10日続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快もしくは消退するもの。精神神経症状として情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害、自律神経症状としてのぼせ、食欲不振、過食、めまい、倦怠感、身体的症状として腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなどがある。」という多彩な症状を一括総称してPMSと言いますが、この中で特にイライラについてスポットを当てたいと思います。

イライラすること、それは生きていれば日常茶飯事といいますか、普通によくあることで、世の中は自分以外の方が多いので、自分の思い通りにならないことはあって当たり前のことと感じます。イライラをPMSとしてLEP製剤等で治療をすることは本当に改善するのでしょうか、医学的にはハテナ?です。

感情の起伏に関して薬でコントロールするのはなかなか難しいのかなと感じます。人が当然のように表現する喜怒哀楽は、例えば「喜びシナプス」に「喜び抗原」を投与すると「喜ぶ」という簡単な経路ではないはずです。同様に「怒りシナプス」にフタをすると「怒らなくなる」という便利な薬はないということです。
さらに脱線すると、「ロキソニン」という鎮痛薬があり、これは痛み物質の生成を抑制し、痛みをなくすという画期的な薬でかなり素晴らしい薬だと思いますが、すべてをこれと同じように考えられるものではないということです。

イライラというのも、かなり個人差があり、それをどう表出するかも異なれば、環境・状況でもイライラする時もあればそうでないときもあるでしょう。
大概の場合、イライラを解決する共通のものは「時間」なのですが、それ以外の介入方法としてアンガーマネジメントを獲得するという認知行動療法が最も適切なのではないかと考えます。


さて、という自論を述べてみましたが、アンガーマネジメント研修に参加したわけではないため具体的なことをお伝えできないのは心苦しいですが、PMSで悩まれる方々にピルで全て解決できるよ!と言えないところがありますという話でした。

ピルが著効するのは月経困難症ですね、これは医学的に太鼓判を押すことができます。

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