Vol.19 HPVと不妊について

Vol.19 HPVと不妊について

明けましておめでとうございます。
今年は新年早々大きな震災もあり、大変な始まりとなってしまいましたが、あとは持ち上がっていくのみとして気合を入れていきたいものですね。

さてHPVワクチンのキャッチアップ接種についてご存じでしょうか?
おそらく意外と知られていないのかと思うのですが、こんな絶好のチャンスはありませんので是非皆さん逃すことのないようにしてほしいものと思います。

残念ながら昭和61年度生まれの寅年のAB型の私には、このキャッチアップ接種は対象ではありませんでした。対象であれば絶対に打っておきたいワクチンです。
「HPVワクチン?」「コロナと違うの?」「どんな効果があるの?」「毎年うつの?」「あの一時期副作用で大騒ぎになってたやつ?」
と疑問はあるかもしれません。

HPVそれはヒトパピローマウイルスのことです。ウイルスです。この世は人間とウイルスの戦いなのです。人が生きていればウイルスにかからないということは一生ありえないのです。ウイルスは必ずなにかに寄生します。寄生獣ならぬ、寄生虫ならぬ、寄生ウイルス。干支の競争でもネズミは牛に乗って最後にぴょーんと飛び込んで牛より先にゴールします。ネズミは牛に寄生していただけです。
ウイルスも、人に寄生することによって生きながらえます。そういうものなのです。

さて脱線しましたが、
HPVはかなり多くの種類があります100種類以上あります。そんな中、ある種のHPVは子宮頸部つまり子宮の出口のところに感染して、細胞異型を起こし、それが子宮頸がんへ発展していくことがわかっています。
そのため、HPVにかからないことが子宮頸がんを防ぐことにつながります。
女性の癌罹患数の順位は

1位乳房 2位大腸 3位肺 4位胃 5位子宮

となっています。5位の子宮の中には子宮体癌も含まれるため子宮頸がんはそれよりも少ないのですが、それでもほかに比べると20代でも発症する若い人がかかる癌という意味では非常に重要です。私も子宮頸がんの方を何度も見てきてとても胸が苦しくなる経験をたくさんしました。
"防げる癌"であれば防ぐのが人間の医学の発達として当然のことであると言えます。

子宮頸がんは、癌になるまでとてもゆっくり進行するため、その間に異形成という段階を踏みます。異形成と診断された場合でも頻回な検査や受診料などにたくさんの労力を費やさなくてはなりません。
HPVワクチンを打っておくことでそういったことを防ぐことができます。

とても良い機会です。
半年の間に3回打たなくてはなりません。

そのため無償の期間を考慮すると、2024年9月末までに接種を開始しなくてはならないため早めの受診を推奨します。

知らなかったという人は
厚生労働省のHPをどうぞ。


さて表題の「HPVと不妊について」ですが、不妊について一切触れていませんでしたので、それに関しては次回に致します。

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