Vol.32 がん検診の重要性と適応について|受診すべき人とタイミングを解説

子宮頸がんは、子宮の入り口(子宮頸部)に発生するがんで、主な原因はヒトパピローマウイルス(HPV)感染です。初期段階では自覚症状がほとんどないため、定期的な検診が非常に重要です。早期発見により、治療の選択肢が広がり、完治の可能性も高まります。
日本では、20歳以上の女性を対象に、2年に1回の子宮頸がん検診を推奨しています。特に以下の方は積極的に受診することが望まれます。
☐ 20歳以上のすべての女性(特に性交渉の経験がある方)
☐ HPV感染のリスクが高い方(複数のパートナーがいる、過去にHPV感染歴があるなど)
☐ 妊娠を希望する方や妊娠中の方(妊娠中に異常が見つかると治療の選択肢が限られるため)
☐ 喫煙者(喫煙は子宮頸がんのリスクを高める要因の一つ)
☐ 過去に異常が見つかったことがある方
つまり20歳以上の性交渉経験のある方は全ての女性に当てはまります。
それにも関わらず、受診率は渋谷区で20%を下回る数字です。
HPVワクチンもかなり有用で、医療従事者としては受けるメリットの方が非常に高いと言えますが、
ワクチンに対する副作用についての心配をされる方もいる世の中で、ワクチンは100歩譲って受けないとしても検診は100%受けるべきと言えます。
頸がん検診の内容について
子宮頸がん検診では、以下の方法で検査を行います。
子宮頸がん検診は、子宮頸がんを早期に発見するための大切な検査です。定期的に受けることで、がんになる前の「前がん病変」の段階で見つけることができます。
主な検査方法は以下の通りです。
1. 視診(ししん)
膣鏡(ちつきょう)という器具を使って、子宮頸部の状態を目で確認します。赤みやただれ、異常な出血などがないかをチェックします。
2. 細胞診(子宮頸部の細胞を採取)
綿棒やブラシのような器具で、子宮頸部からやさしく細胞を採取します。採取した細胞は顕微鏡で調べ、がん細胞や前がん病変がないかを確認します。
→ これが、一般的に行われている「子宮頸がん検診」の中心的な検査です。
子宮頸がん検診は何歳から?どのくらいの頻度で受けるの?
日本では、20歳以上の女性に対して2年に1回の子宮頸がん検診が推奨されています。特に出産経験のある方や、HPV感染のリスクがある方は、定期的な受診がとても大切です。
まとめ
子宮頸がんは早期に発見すれば、治療が可能ながんです。
視診、細胞診、HPV検査の組み合わせで、より正確な検診が可能です。
「ちょっと面倒...」と思っても、自分の体を守るために大切な時間です。
監修医師の紹介

Mieruレディースクリニック
院長 柴田 あずさ
日本産科婦人科学会専門医として産婦人科の病院・クリニックで研磨を重ね、2023年5月にMieruレディースクリニックを開業