ピルの種類

ピルの種類

ピルとは?

英語でピルと言えば、錠剤、丸薬のことを定義しますが、世界的にも経口避妊薬の代名詞として通用しているようです。

日本でのピルとは、女性ホルモンであるプロゲステロンとエストロゲンの合剤で月経コントロールや避妊目的で使われる薬を指します。

エストロゲンの量によって低用量ピル、中用量ピル、高用量ピルに分類されますが、世界的にも高用量ピルは使用されなくなっています。
低用量ピルについて

低用量ピルについて

皆さんがよく耳にしているピルは低用量ピルのことです。エストロゲンの量が少ないため、血栓症のリスクを下げ、服用しやすいものになっています。

低用量ピルにはOCとLEPがあります。

OCは避妊を目的とした自費診療の薬剤で、LEPは月経困難症や子宮内膜症の治療としての保険診療の薬剤です。

OCとLEP

どちらもエストロゲンとプロゲステロンの合剤であることに変わりなく、経口的に一定量のエストロゲンとプロゲステロンが血中に保たれるため、脳から自分自身は女性ホルモンを作らなくてよいという指令が入り、結果として排卵抑制、子宮内膜の菲薄化を保ち、避妊効果と月経困難症の改善をもたらします。

低用量ピルの種類と特徴

低用量ピルとはエストロゲンとプロゲステロンの合剤であることは確かですが、
ピル製剤はその量や種類に違いがあります。

違い1

上で記載の通り、まずOCとLEPがありますが、これは避妊目的か保険診療かの違いです。

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含まれているエストロゲンは、EE(エチニルエストラジオール)が全て共通していますが、1周期に含まれるトータルEE量が違います。
中でもヤーズ、ヤーズフレックス、ルナベルULD、フリウェルULDはEE量が30μg以下であり、超低用量ピルと言われます。

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それぞれの特徴を紐づける重要な違いが、プロゲステロンの種類の違いです。
プロゲステロンには第1世代~第4世代までの種類があり、新しい方が良いというわけではなく、それぞれに特徴があるため自分に合ったものを選ぶのが良いです。

第1世代:ノルエチステロン(NET)

1960年代に開発された黄体ホルモンで最も歴史が古いもので、長い期間使用しても安全が保障されておりデータが十分にあるものです。不正性器出血は比較的起こりやすいです。

第2世代:レボノルゲストレル(LNG)

血栓症のリスクは低いですが、ニキビや浮腫の副作用は比較的高いと言われています。

第3世代:デソゲストレル(DSG)

ニキビが抑えられ、不正性器出血も少ないですが血栓リスクは少し高いと言われています。

第4世代:ドロスピレノン(DRSP)

抗アンドロゲン作用により、ニキビや皮膚の荒れの改善効果が高いです。
PMSの改善に効果が高いと言われていますが、抗アンドロゲン効果により、性欲の減衰や、意欲の低下等の報告もあります。

第1世代ピルルナベルLD、フリウェルLD、ルナベルULD、フリウェルULD、シンフェーズ
第2世代ピルジェミーナ、アンジュ、トリキュラー、ラベルフィーユ
第3世代ピルマーベロン、ファボワール
第4世代ピルヤーズ、ヤーズフレックス、ドロエチ

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1相性か3相性かの違いがあります。以前は2相性のものもありましたが、現在はありません。
1相性のものとは、エストロゲンとプロゲステロンの量が全ての錠剤で同じ量入っており、1周期中でその投与量が一定を保たれるものです。
3相性のものは自然のホルモンの変化に合わせて作ったもので、1週間目、2週間目、3週間目で錠剤に含まれるホルモン量が異なります。
1相性は錠剤ごとの成分が同じなため月経移動がしやすく、飲み忘れなどがあってもどこから始めても構わないメリットがあります。
3相性は、不正性器出血の頻度が少ないと言われますが、錠剤ごとにホルモン量が違うため細かな調整には向きません。

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スタート方法の違いがあります。
基本的には月経初日に内服することがほとんどですが、シンフェーズのみSundayスタートという飲み方を採用しています。イベントの多い土日に出血が起きないようにという目的で作られています。

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続ける上で重要な大きな違いは値段です。
基本的に古い薬の方が安いです。そして後発品(ジェネリック)の方が安いです。
基本的には成分は同じのため後発品の方を推奨しています。
まれに、後発品でも錠剤として固めるため、薬剤そのもの以外の成分により、副作用の出方に違いがある方がいます。個人差や好みもあるため、その場合は先発品でもいいと思います。

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連続投与日数の違いがあります。
保険ピルに関して、最近は連続投与というものができるようになりました。以前までは基本は21日実薬を飲み、7日間の休薬もしくは偽薬というサイクルでしたが、この休薬中に月経困難症がある方は症状の悪化をきたす場合があったため、実薬の内服を続けることで、ホルモン量を一定に保つことができ(図参照)症状の改善を期待することができるようになりました。ちなみにヤーズのみ24日実薬というサイクルでした。

スクロール

OCLEP(1相性のみ)
1相性
第3世代:マーベロン→ファボワール(後発品)
3相性: 第1世代:シンフェーズ
第2世代:アンジュ、トリキュラー→ラベルフィーユ(後発品)
第1世代:ルナベルULD、LD→フリウェルULD、LD(後発品)
第2世代:ジェミーナ
第4世代:ヤーズ→ドロエチ(後発品)、ヤーズフレックス

お気軽にご相談ください

上記ピルの違いを説明しましたが、それでもやっぱり難しい、よくわからないという方はいつでもご相談ください。
オンライン診療でいつでもピル相談(3,000円)を受け付けています。

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