緊急避妊薬について

緊急避妊薬について

アフターピルと言われる緊急避妊薬。
望まない妊娠を予防したい女性にとってとても重要な薬です。

医学的に禁忌となるものはほとんどなく、
年齢制限なく誰しもが手にする権利を持っているものです。


妊娠は、男女双方によって生じるものですが、妊娠による身体、精神的ダメージを被るのは主に女性です。そのためピルやコンドームなどで予防をしてはいるはずですが、様々な事情でうまくいかない事例もあるかと思います。

コンドームが破れていた、ピルの飲み忘れがあった、またあってはならないですが、性暴力があった、どうしても断れなかったなど、様々な事情で緊急避妊薬が必要になることがあると思います。

緊急避妊薬に後ろめたさを感じる必要は全くなく、かといってオンライン診療で手軽にとは言いませんが、誰しもが手にする権利を持っているものです。

また医学的に、禁忌となるものはほとんどなく、年齢制限なくすべての女性が安全に使用できるものです。

緊急避妊薬の内服には2種類あります。

  • 1.レボノルゲストレル単剤 レボノルゲストレル錠1.5㎎単剤を1回内服します。 性交から72時間までが効果があると言われ、早ければ早いほど効果が高いです。
  • 2.Yuzpe法 中用量ピルを72時間以内に2錠内服し、その後12時間後にさらに2錠内服します。

当院では基本的に①を採用しています。理由は妊娠阻止率が高いことと内服が1回でよいため簡便であり、副作用も少ないためです。
コスト的には②の方が安いですが、特に理由がなければ①を処方します。

  • 妊娠阻止率
  • 副作用発現率

注意点

注意としては、100%の阻止率ではないことです。
24時間以内に内服ができたとしても阻止率は95%です。そのため、月経予定日を1週間以上過ぎても生理が来ない場合、または内服後21日経過しても生理が来ない場合には妊娠反応検査をしてください。

アフターピルの副作用

  • 月経周期の乱れ
  • 不正性器出血
  • 嘔気
  • 腹痛
  • 頭痛
上記が起こることがありますが、一時的なことがほとんどのため、1日経過すれば改善することが多いです。 月経周期もその周期が内服薬の影響でずれるだけで、以降はまた元の周期で生理がきます。

対面でのお渡しを推奨します

アフターピルはなるべく早く内服した方が良いことから、対面でのお渡しを推奨します。

オンライン診療だと実際に薬が手元に届くのに早くて受診してから翌日になります。しかし今後電子処方箋の実用が進めばそれも改善する可能性があります。

緊急避妊薬を飲んでしまったが、妊娠してしまった場合

薬剤は胎児への奇形や悪影響はありません。緊急避妊薬を飲んだけれど妊娠してしまい、そのまま妊娠継続を考えている場合は特に大きな問題はありませんので心配なさらないでください。

最終性行為から72時間以上経過してしまった場合

妊娠する可能性は高くなりますが、内服することは可能です。
また、その他の方法として銅付加避妊部具を挿入する方法もありますが、当院では行っておりません。

性暴力に遭われた方

ワンストップ支援センターへのご連絡を推奨します。センターは、性犯罪や性暴力支援者に必要な支援が一か所に集められた窓口で産婦人科医、カウンセリング、捜査、法律相談等の専門機関と連携しており、1都道府県に1施設設置されています。

性感染症の検査や診察に必要な費用の助成を受けることもできます。

●ワンストップ支援センター #8891
(発信場所から最寄りの施設につながります。)
●内閣府 DV相談 0120-279-889

よくあるご質問

緊急避妊薬を内服すると将来妊娠しにくくなる?
将来の妊娠への影響や、不妊症のリスクなどはありません。
内服後に不正性器出血がある場合はありますが、その後の生理周期や妊娠への長期的な影響はありません。
何度も緊急避妊薬を使用しても大丈夫?
何度使用しても問題ありません。ただし頻回にそのようなことが起こる状況なのであれば普段から低用量ピルの使用を推奨します。
緊急避妊薬を機に低用量ピルを始めたい。
翌日から使用可能です。
授乳中でも緊急避妊薬は使用できる?
添付文書上は、「本剤の投与後24時間は授乳を避けるよう」と書いてありますが、実際女性ホルモン剤は母乳へ移行するとは言われていますが、非常に量が少ないこと、新生児には影響がないことから、まったくダメというわけではありません。説明の上、授乳を継続する選択肢もあるかと思います。
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