Vol.28 プレコンセプションケアについて
プレコンセプションケアという言葉。最近耳にする方も増えてきたのではないでしょうか?
プレ(pre)は「〜の前の」、コンセプション(conception)は「受精・懐妊」であり、プレコンセプションケアは「妊娠前の健康管理」という意味です。
WHOは2012年に「妊娠前の女性とカップルに医学的・行動学的・社会的な保健介入を行うこと」と定義しています。
プレコンセプションケアを行う目的は、以下3つです。
①若い世代の健康を増進し、より質の高い生活を実現してもらうこと
②若い世代の男女が将来、より健康になること
③ ①の実現によって、より健全な妊娠・出産のチャンスを増やし、次世代の子どもたちをより健康にすること
現在まだ妊娠を考えていない方や、将来的に自分は結婚などしないと強く決めている人にとっては、プレコンセプションケアは関係ないのではと考えてしまうかもしれませんが、自分の将来を健康的に生きるという意味で万人に是非取り組んでほしいことになります。
20代はまだまだ健康的で、病気を知らない時間の方が長いかもしれませんが、
30代になると少しずつ体調の変化を感じてくるかもしれません。
40代になると、
脂質異常症、高血圧、糖尿病といった生活習慣病も増えてくる中、
子宮体がん、乳がんといった病気の発症リスクも出てきて、検診項目が増えてきます。さらには更年期症状にも悩まされてくる頃です。
同時に親の介護の悩みも出てくるかもしれません。
プレコンセプションケアとは、
自分の体と向き合い、必要な対策や検査を確認しておくことにより、早期発見により、健やかな人生100年時代を送ることを目標としています。
TOKYOプレコンゼミに参加すると、助成金にて検査を受けることができます。
検査の内容は
【必須項目】
尿検査(たんぱく、糖)
血液検査(鉄、総蛋白、コレステロール、糖、腎機能)
麻疹抗体検査
【選択できる項目】
B型肝炎検査
C型肝炎検査
感染症検査(梅毒、淋病、クラミジア、HIV)
AMH検査
甲状腺ホルモン検査
経腟超音波検査
女性ホルモン検査(エストロゲン、プロゲステロン、LH、FSH、プロラクチン)
上記があります。
中でも、
麻疹抗体検査、性感染症、AMH、女性ホルモン値、経腟超音波検査は、健康診断には含まれていない場合が多いので、これを機に自分を知っておくのは良いかもしれません。
上記の検査を全て自費で行うと4万円近くしますので、TOKYOプレコンゼミに参加すると3万円まで助成金が出るので、負担額はその差額になります。
検査項目を減らせばもちろん助成金内で可能です。
こちらの内容に含まれていない「風疹抗体検査」も是非とも受けたい検査です。
都内市町村(八王子市、町田氏を除く)にお住まいの方で妊娠を希望している19歳以上の方は無料で検査を受けることができます。
実は妊婦検診の初回検査に、「風疹抗体」が含まれているのですが、抗体価が16未満の方が結構いるのが現状です。(体感で2割くらいの方にいます。)その回の妊娠ではもうワクチンを打つことができないので、風疹にかからないよう注意してもらうしかありません。妊婦さんが風疹にかかると、胎児に先天性風疹症候群を引き起こす可能性があります。そうなると、胎児は難聴や心臓疾患、白内障などの先天異常を引き起こす場合があります。
事前に風疹抗体を調べておくことで、妊娠前にワクチンを接種できるため、これは準備しておくことが非常に有用なことになります。
事前に知っておくことで対策できることが、たくさんあります。
プレコンセプションケアを行うことで、よりよいライフステータスを築いていきましょう!