VOL.41受診を迷う女性たちへ──婦人科医として感じたことと、オンライン相談開始

VOL.41受診を迷う女性たちへ──婦人科医として感じたことと、オンライン相談開始

先日、渋谷区で開催された「女性の健康相談会」を担当しました。地域の女性たちから直接お話を伺う中で、改めて気づいたことがあります。
それは、「尿漏れ」「更年期障害」「月経困難症」など女性の悩みでクリニックを受診している方とは別に、同じ悩みを持ちながらも「受診したほうがいいのだろうか、なかなか一歩を踏み出せない」という女性が多く存在するということです。

■ 婦人科受診をためらう女性たち

「どんな検査をされるのかわからない」「恥ずかしい」「忙しくて時間が取れない」「これくらいで受診していいのかわからない」──
こうした理由から、婦人科受診を先延ばしにしてしまう方が少なくありません。

しかし、月経異常や更年期症状、おりものの変化、デリケートゾーンのかゆみや違和感などの多くは、我慢していて自然に治るものではありません。早めに医療機関で相談することで、簡単な治療や生活習慣の見直しだけで改善できるケースも多くあります。

婦人科医として、私は「悩んでいる時間がもったいない」と感じます。
特に東京のように医療機関が多く、選択肢が豊富な地域では、実は"クリニックを選べる立場"にあります。合う・合わないはあって当然です。もし行ってみて合わなければ、他のクリニックを選び直せばいいのです。受診を迷うよりも、まずは一度行ってみること。それが、健康への第一歩になると考えています。

■ 新たに「オンライン相談」サービスを開始

そのような中で、今回の健康相談会を通じて改めて感じたのは、「受診を迷っている方」に対して、医療を身近に、そして正しい知識・情報を提供できるような取り組みが必要だと感じました。

「自分の症状が病気なのかわからない」
「婦人科を受診した方がいいのか迷っている」
「病院に行くと、どんなことをされるのか不安」

こうした"まだ医療につながっていない女性たち"が、安心して話せる場が必要だと感じたのです。

そこで当院では、新たに**オンライン相談(15分/3,000円)**のメニューを設けました。
これは診療ではなく、医師が直接お話を伺い、受診の目安や今後の方向性についてアドバイスを行う「相談専用」の時間です。スマートフォンから簡単に予約・参加できるため、忙しい方や外出が難しい方でも利用しやすいのが特徴です。

■ オンライン診療の現状と課題

一方で、ここ数年で急速に広がった「オンライン診療」。
スマートフォンやパソコンから受診できる便利な仕組みですが、医療現場としては体制を整えるのが決して簡単ではありません。
「手軽に医療にアクセスできる」という利点がある反面、なかにはドラッグストアで薬を買うような感覚で「とりあえず薬だけほしい」と希望される方も見受けられます。

実際に当院でも、当院で扱っていない皮膚科の薬まで処方を求められるなど、医療を軽視したようなケースがありました。
そのため、当院では対面で初診を行った患者様に限り、同じ薬の継続処方のみオンラインで対応する方針へと変更しました。医療の質を守りながら、オンラインの利便性を生かすための取り組みです。

そんな中、今回の「オンライン相談」に関しては有料ではありますが、誰でも手軽にテレビ電話で相談できる場を作ろうと思い発足しました。


■ 医師に直接相談できる安心感を

婦人科は「特別なときに行く場所」ではなく、「体の不調を相談する場所」です。
小さな不調や違和感の段階で相談できる環境が広がれば、心身の負担を大きく減らすことができます。

オンライン相談を通じて、受診をためらう方が少しでも安心して一歩を踏み出せるよう、これからもサポートを続けていきたいと思います。

オンライン相談をご希望の方はこちらから
15分3000円

監修医師の紹介

Mieruレディースクリニック院長柴田あずさ

Mieruレディースクリニック
院長 柴田 あずさ

日本産科婦人科学会専門医として産婦人科の病院・クリニックで研磨を重ね、2023年5月にMieruレディースクリニックを開業

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